プロが語る「買い時」の理由
プロが語る「買い時」の理由

不動産不況と呼ばれて久しい中、「今マンションを買っていいものか」と二の足を踏む人がいる一方で、「今こそチャンスだ」と購入を決断する人がいます。両極端ともいえる二つの思考が混在したこの状態こそ、2009年のマンション市場の最大の特徴になるでしょう。
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まず買い時かどうかを判断するために、4つの環境要因を分析する必要があります。4つの要因とは、「金利水準」「物件数」「価格動向」「税制優遇」です。今マンションが買い時かどうかという判断に違いはあっても、これらの要因のなかには共通した認識が見られます。例えば、「金利」と「税制優遇」。当然、金利は、短期的には多少の変動はつきものです。しかし、変動金利で2%前半という現状を、長期的に低水準であるとの見方に異を唱える人は少ないでしょう。さらに、麻生内閣の景気対策の柱でもある住宅ローン減税の大幅拡充は、2009年を「またとない有利なタイミング」にしています。つまり、「金利」と「税制優遇」の2点に限っては、「今は買い時」に異論なしと見ても問題ないかと思われます。
ポイントは、「物件数」と「価格動向」ではないでしょうか。この2点をどうとらえるかで、「買いか」「待ちか」の意見が分かれてきそうです。まず、待ちと判断する「消極派」の考えはこうです。物件数は多く、一見したところ選択肢が豊富そうに見えるが、実は在庫(=売れ残り)が多いだけ。しかもコストダウンを図った低グレードなものをつかまされる恐れがあるのではないか、と案じているのです。また価格についても、もう少し待った方が安くなるのではないか、と予測しています。
一方、「積極派」の意見はどのようなものでしょう。未曽有の不況感により、良質なグレードの高い物件までが(キャンセルの発生などもあり)市場に出回っている、と見ています。今こそ良好で豊富な選択肢から選べる環境にあり、さらには物件によっては価格交渉もできそうだ、という見方。もう、お気づきだと思いますが、両者の意見は、非常に似通っています。不況のおかげで、「選択肢が多い」。そして「価格に柔軟性がある」。論点は、「量はあるが、質はどうか」と「価格相場がもっと下がりはしないか」この2点に尽きると言えそうです。
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まず、「質」についてはどうでしょうか。ここ数年、地価が乱高下しました。これはバブル崩壊後下落した地価が景気回復とともに上昇に転じ、国内外の不動産ファンドなどが買収したことで周辺の地価を押し上げた、いわゆる「ファンドバブル」による影響です。これによって功と罪、両極端な影響を受けた分譲マンションが市場に現れました。罪と呼べるのは、地価が上昇しても販売価格を抑えるため、原価を下げようとして結果的に建物の質を落としたマンション。消極派の理由にもありましたが、そうした物件が販売されたことはひとつの事実でしょう。逆に功と呼べるのは、販売価格が上がるのなら全体のグレードをワンランク引き上げようとしたマンション。今の市場には、今後実現できそうにないほどの高い品質を備えた物件も現れているのです。
「価格の動き」については、有識者の間ではこう語られています。「もはや量的に充足された市場においては、立地やグレードで劣る物件の販売価格や資産価値は、常に下落の危険性にさらされる」といった見解です。つまり「今年と来年の値動き」だけを推し量るのではなく、長期的な視点が不可欠だということ。いつの時代も、長く住んでも資産性が下がりにくい物件は、立地環境や建物品質の条件に恵まれています。資産価値を重んじたいのであれば、価格に見合う希少性を持ち合わせた物件を選ぶべきでしょう。
そして、特筆すべきは、今のマンション市場ではそうした物件を探すことが十分に可能、つまり不動産不況の影響で、好条件の物件が売れずにいまだ残っているのです。この視点に立てば、今年はマンションを買うには絶好の機会と言えます。ただし、積極派の意見にも異を唱えたいところがあります。それは、価格交渉が可能な物件は注意が必要だということ。理由は簡単。良い物件ほど大きく値引く必要はないからです。
冒頭で、買い時の判断は4つの環境要因をチェックして、と言いましたが、それよりも大事な前提条件を忘れてはなりません。それは、人生設計のなかで、「本気でマイホームを欲しているかどうか」ということ。家族や子どものため、あるいは将来を考えた時に、そろそろマイホームを、と真剣に思う人ほど、物件に対する「譲れない条件」は明確になります。そして確固たる動機を持っている人ほど、満足度の高い物件に出会える確率は高まります。自分に合った物件を手に入れるためにも、4つの環境要因をチェックして「いつが買い時として最適か」を見極める視点に加え、本気で家が欲しいという強い意志を持つことが「積極派」たるべき最大の条件と言えるでしょう。










